学校を休む3

不登校は子どもの潜在意識の反応からの行動で生じています。潜在意識ですから子供自身もなぜ学校に行けないのか、なぜ辛いのか分かりません。自分の体から感じたことから、周囲からの対応から自分が感じたことから、言葉にしています。それ故に、お母様からの対応に対する言葉は、お嬢さんの感じたことを知識で理解してからの言葉です。本心ではありません。多くの方はこの事実を知りません。
以下のお母様の質問も、母親の知的な理解、子供の知識からの理解、からの言葉でなされています。それに私は、子供の行動から、子どもの潜在意識を推測することで答えています。

>うちのように元々親子の信頼関係が無かった場合は、「学校に行くな」と親が言ったら、それに逆らえない、学校に行きたいと言ったら叱られるかもしれないから言えない、親の言うことは絶対だ、と思っている子どもは
これは親と子の間に信頼関係が無い姿です。信頼関係が無いと、子供は学校の辛さを親に癒やして貰わないで、苦しみ続けます。その姿を親の方で、親の知識から理解している姿です。

>学校に行きたいと言い出せず、1週間、1か月、1年と経ってしまうのではないでしょうか?
親が学校に行くなと言ったとしても、子供がその親の言葉は受け売りで親の本当の思いでないことを見抜いているのだと思います。親の本心からの言葉だと、その学校に行くなと言う言葉に従います。子供の姿が落ち着きます。この子供の場合、親によい子を演じる必要があったなら、学校に行きたいというと思います。どの様な理由か分かりませんが、親によい子を演じる必要が無いと反応をしていたのでしょう。子供は学校に行かれないのですから、学校に行かれない時間が1年以上経ってしまうのも当然だと思います。

または子供は不登校ができていたので、「学校に行きたい」と言う必要が無かったのかも知れません。

いずれにしても、お子さんの本心は「学校に行きたくない」です。そのお子さんの本心を理解しないと、不登校問題は解決できません。但しこのお子さんの本心は言葉になりません。お子さん自身も知らないのです。お母様も分からないのは当然なのですが、ここで大切なことは
大人の心と子供の心と異なる
事です。その結果大人の心で考えたことが子供の心と異なっていることが多いです。特に不登校などの心が辛い子供の心を大人が考えたとき、それは子供の心に沿っていなくて、多くの場合、大人が考えたことの逆が子供の心で起こっていると考えると対応を間違えないことが多いです。

>うちはそうでした。「学校に行きたいとはパパには言えない」と。理由は「パパが学校には行くなと言っていたのに、私が学校に行きたいと言ったらパパと気まずくなるから」 と。
これはお子さんなりの理解です。その理解を言葉にしています。お子さんの本心ではありません。「学校に行きたい」と母親に言ったかどうか気になるところです。

>1か月休んだ時点で、学習の遅れを取り戻すのはもう無理だ、学校に行くのはもう無理だ、と諦めてしまったようです。
これもお母様がお子さんの姿を見て、お母様の知識からの理解でしょう。

>荒れていた時がありますが
それは登校刺激が辛いと言う意味だったのです。

>それは親が学校に行かなくて良いと言って学校関連のものを全て捨ててしまい、
お母様のこの対応でお子さんへの登校刺激がかなり減ったはずです。それでも未だお母様を避けていたと推測されます。

>自分にはもう学校や子ども社会に戻る道が絶たれてしまったという絶望からではないでしょうか?学校には本当は戻りたいんだという自分の意思は聞いてもらえず、親や大人の「学校に行かなくて良い」という意見を押し付けられて子どもの心が無視されたからではないでしょうか?
これもお母様なりの知識からの理解で有り、お子さんの心に沿っていません。子供はこのように感じません。辛い学校や子供社会から守って貰えてありがとうと感じます。大きな安心感を感じるようです。

不登校の子供の本心は(子供の知識と異なります)学校に行きたくないとなっています。ですから言葉では学校に行きたいと言いながら、不登校になりました。

学校には本当は戻りたいんだという子供の本心はありません。子供の知識にある事は多いです。然しその知識からの行動は実際上ありません。知識では学校に行きたい、本心では学校に行かれないから学校に行こうとしない、ここに大きな矛盾を生じます。この矛盾のことを葛藤と言います。葛藤状態になるとそれだけでとても辛くなります。登校刺激で辛い、葛藤で辛い、この二つの辛さが相乗効果を生じて、生きていけないほど辛い辛さを子供は感じるようになります。

>親や大人の「学校に行かなくて良い」という意見を押し付けられて子どもの心が無視されたからではないでしょうか?
子供の本心が認められたと子供は反応をします。但しこの言葉を聞いた直後は、子供の知識が否定されたことになりますから、一時的に怒る行動をする事がありますが、直ぐに終わります。葛藤状態が解消をして、子供はとても楽になるはずですが、登校刺激が残っているので、辛い状態が続きます。

不登校になって1年、3年、と経ってからfecorが無くなって子どもが自分から突然学校に行き出すとか、転校して新しい環境でスタートできるようになることは、実例としてあるのですか?
不登校対応をしている一部の子供で見られています。ただし、不登校から元気になったお子さんは、学校に戻ることだけを求めません。その子供なりに何かを求めることを第一にします。その何かが学校内にあると判断したときには、学校に戻ってしまいます。進学の例は多いですが、転校の例は殆ど無いです。外国の学校への転校はそれだけでも良い効果があるようです。