自立

学校運営、クラブ運営も、どちらも大人の心で子どもを見ることで成立しています。子どもの心と大人の心とが異なることを大人は理解していません。理解していなくても、子どもは楽しいから、行きたいから学校へ、クラブへ行きます。子どもにとって楽しさがなければ苦痛になります。行かなくなります。一方で、学校は成績を上げること(その結果良いと言われている学校に進学する)、クラブは上手になること(その結果ゲームに勝つこと)を要求してきます。其れと同時に学校が維持されること、クラブが維持されることを平行して要求してきますから、子ども達が参加する喜びの他に、子ども達への管理を生じます。

成績が上がること、上手になることは、一見子ども自身が求めているように見えますし大人もそのように考えますが、本当は子どもの方で、子ども発の思いで求めている場合はほとんどないと思います。多くは成績が上がること、上手になることで、母親が喜ぶことで、子どもは其れを喜びにしています。成績が上がることや上手になることを目指しています。このこと自体は子どもの心のエネルギーを増やしますから、自立に役立ちますから悪いことではないのですが、大人の方の理解が間違えることで、心が辛い子どもを作ることになりかねません。

ところが成績が上がること、上手になることとは子ども達の間での相対的な問題の要素が大きいです。その結果子どもの間で競争が生じ、競争に勝った子どもと競争に負けた子どもと出てきます。勝ち続けられた子どもは大人達からスポットを当てられて、ますますその能力を伸ばすことができます。一方で今まではスポットを当てられていた子どもが突然その場にいられなくなった場合の辛さは計り知れません。それを補い支えられるのは母親だけです。本来母親だけは子どもの成長にも、子どもの挫折にも、両方に対応をできる能力を持っているのですが、母親自身が子どもの挫折を許せないときには、子どもは大変に辛い立場に追い込まれます。