子供の心と大人の心と異なる

コメントの

>子供の本心を読み取ることは本当に難しいと思いますが、子供の気持ちに寄り添うこと、子供が協力を求めてきたら、それに応えてあげること、もちろん出来る範囲ですが、が大切かなと思います。
>高校生の脳と心は小学生とは違うと思います。

を用いて、脳科学を用いた小児の心理を研究している者としての意見を言わせて下さい。ただしこの内容は常識と大きく異なっています。この内容を理解している大人が極めて少ない、まずないと言って良いからです。

まず、第一に指摘しておきたいことは、

「大人の心と子供の心と大きく異なる」

ことです。実際上、大人の心、子供の心と、おおざっぱに分けるので、理解するには十分のようです。それに加えて、ここでは触れませんが、心が元気な子供と、心が辛い子供、と心の内でも情動(一応、感情と理解して下さい)の状態を分ける必要があります。

脳の組織学的(大脳新皮質髄鞘化が子供では完成していないで、情報が伝わらない)にも、その結果として、脳の機能(心と考えて下さい。以下では心と表現します)が大人と子とどもと異なることです。それ以上のこと(知識と情動と習慣)を知るには、経験的な知識から得るしか方法がありません。人間の脳で実験をすることが出来ないからです。それ故に、皆さんが皆さんなりの、子供の心についての意見を持っていらっしゃることは、その皆さんの経験の範囲で正しいです。

多くの人はその人の経験から、子供の心は大人の心を未熟にしたものと考えています。今の子供の心について、常識的な知識がそうなっていますから。教育により大人の心に近づけると考えています。その結果高校生の心と小学生の心と違うという判断が常識になっています。そして今の子供の心理学も同じです。

子供の心が辛くなければ、子供の心が元気なら、子供の方から、子供の持つ本能から、子供の方で大人の常識に合わせようとしますし、合わせることが出来ます。その子供の方で大人の常識に合わせようとする経験量の違いから、子供自身が持っている知識の量と内容の違いから、高校生の心は小学生の心と違うと感じる人が多いと思います。心が元気な子供を育てていらっしゃる親御さんでは、その考え方で子育てが可能です。またその方が子供の能力を伸ばすことが出来ます。多くの心が元気な子供について、この考え方はとても大切です。

不登校、引き籠もりなどの、心が辛い子供への対応をしていると、ある意味で辛さの極限にいる子供への対応をして見ると(勿論その母親を介してですが)、高校生の子供の心と小学生の子供の心と基本的に同じだと言うことが分かります。高校生と小学生との心の違いの主なところは、子供が持つ知識です。

子供は子供の持つ知識を言葉で表現します(言葉では大人顔負けのことを言いますし、テストなどでは正解を書くことが出来ます)が、不思議なことに、子供はその言葉通りに行動をしません(多くの人はこの事実を信じられないのです)。その言葉通りに行動するには、その行動の結果ご褒美がある、多くは大好きな母親から褒められるというご褒美があるときです。多くの大人は気づいていませんが、子供にはこの大人が気づいていないご褒美の存在が、子供の能力を伸ばしているのです。心を成長をさせていると言っても良いかも知れません。

心が元気な子供の心についての知識を皆さんは持っていらっしゃるのです。そして思春期を終えた頃から、子供は急激に大人の心になり、ご褒美がなくても、子供が持っている知識から行動が可能になります。子供に自立が可能になることを意味しています。この事実は多くの子供に当てはまります。多くの子供は母親に守られて、心が元気な子供として育つからです。

ところが不登校、引き籠もりなどの、心が辛い子供の子育てが、対応が難しいのは、大人が、母親がこの心が辛い子供へは、多くの大人が持っている子供についての知識が当てはまらないからです。ただし、不登校、引き籠もりなどの子供でも、心が元気なら、子供が不登校だという事実、子供が引きも森だという事実以外の、大人が持つ常識が当てはめても問題ないようになります。子供の方でも母親からのご褒美を求めて、成長を続けられるようになるからです。勿論父親や、両親以外の大人から、子供が求めるご褒美を与えられたら、子供を自立した大人に育てることが出来ますが、母親、父親、他の大人(代理母を除く)が、子供に全く同じことをしても、子供の方でのご褒美としての受け取り方が異なるために、ご褒美の効果が異なるという事実があります。