ある質問(2)

ネット上、母親からの子供の情報のみで、子供に会わず、その後を見ず、それで「不登校児にはこの対応」「発達障害というものはない」

<解説>

>ネット上、母親からの子供の情報のみで、子供に会わず
この意見について、子どもの心と大人の心と異なることから説明しなければなりません。心は脳の機能です。ですから脳の構造とその部分部分の機能から考える必要があります。脳の構造から脳の機能=心は、意識の心(記憶=知識を含む)と習慣の心と情動の心の3つに分けて考える必要があります。

大人は意識の心と習慣の心から行動をします。それらの知識はその大人の経験により異なりますから、大人の心を考えるのは大変に難しいです。それでも大人の知識や大人の経験は、その大人が属している文化で大きな傾向がありますから、文化を考えることでかなりの所を知ることができます。情動の心は意識の心で調節されていますから、情動の心が機能をするような特別の場合を除いて考えなくて良いです。それが現在の心理学です。

子どもの心は既に完成した情動の心と、これから完成しようとする習慣の心からできています。意識の心はその中の知識を増やしている段階で、子供の言葉にできますが、子供の行動という意味で、意識の心として機能をしていないので、配慮しなくて良いし、配慮をすると子どもの心を間違えてしまいます。それが小児脳科学心理学、小児心理学になります。ですから子供を大人の心で考えてはいけなくて、子どもの心に沿って理解する必要があります。子どもの心に沿って理解するとは、子供の表情や行動から理解することであり、子供の言葉から子供を理解しようとすると、間違えてしまう原因です。

子供が素直に自分の心を表現しているときには、大人が子供を観察してその子どもの心を知ることができます。ところが不登校などの子どもの心が辛いとき、子供は大人の前でよい子を演じてしまいます。自分を守る行動をしてしまい、子供の本心からの姿をしません。但し、母親の前だけは、母親が子供を責めていない限り、子供は素直な自分の姿を見せます。それ故に、子どもの心を子どもの本心を知るには、心に沿って理解するには、母親の前の子供の表情や行動=姿がとても大切なのです。

母親以外の人(研究者や相談を受ける第三者)が心が辛い子どもの心を知ろうとするなら、母親からの情報以外の情報が間違いになることが分かります。そして、母親からの情報なら、母親に面会して得た情報でも、ネット上で得た情報でも同様に、とても有効なのです。母親以外の人が心が辛い子供に合って得た子どもの心の情報は、間違っている可能性が高いのです。繰り返しますが、これは不登校の子供などの、心が辛い子供の場合だけです。多くの大人が持っている心が辛い子どもの心の理解の仕方と異なっているのです。

そのことは、多くの大人が持っている不登校などの心が辛い子供への対応の仕方が間違っている可能性が高いのです。所謂子どもの心の専門家と言われている多くの大人が持っている、心が辛い子供への対応の仕方は、大人への対応の仕方を子供に当てはめた物です。子どもの心と大人の心と異なっています。子どもの心は脳科学が当てはまります。脳科学を当てはめて得た結果の経験的な事実が当てはまります(それは大人に当てはまる常識的な知識と異なります)。それゆえに、一番子供の姿を知ることができる母親からの情報は、子供の現在の心、将来の心をかなり確実に知ることができるのです(大人の常識で子どもを見ている人には理解できないでしょう。それも現在の段階では仕方が無いことですが)。