環境に順応

不登校の子どもを育ている母親からの相談メールを紹介します。

不登校経験の母で、カウンセラー的に活動されてるブロガーの方の中には、自立できなくても生活保護があるからいいじゃないか、という意見の方もいます。私は、そこの部分には共感出来ずにいます。何か職業について経済的に自立を目指してほしいと思っています。
先生がおっしゃる子供の本能が機能して、与えられた環境に順応しようとする、とありますが、与えられた環境というのは、外の社会ということでしょうか。
今与えられている環境というなら、“居心地のよい家の中”なのですが。

<回答>

不登校経験の母で、カウンセラー的に活動されてるブロガーの方の中には、自立できなくても生活保護があるからいいじゃないか、という意見の方もいます。
心を元気にする方法=母親と子供との信頼関係、子供が持つ本能を知らない人だと思います。このブロガーは大人としての自分の思いを優先しているようですね。このようにして母親自身が楽になり、子どもを見ない、子供に言わない、が出来るようになるなら、其れも悪いことではありません。

ただ、この母親の子供を信頼しない、逃げの思いで、母親に笑顔が出るかどうか疑問です。母親が子供の将来を考えるのはごく自然だと思います。その子供の将来を考えるとき、子供に生活保護の生き方があると、子供が考えもしない、母親の都合、母親が楽になるためだけからの発想の子供への影響は必ずしも子供が許さない場合があります。

つまり、子供に加わる登校刺激を配慮していないという意味です。子供に加わる登校刺激を無くして、このように思われて、御母様に笑顔が戻るなら、其れは悪くない考え方です。子供に加わる登校刺激が残っていて、母親がこのように思われて、母親に笑顔が戻っても、子供は母親の笑顔が子供を信頼していることからの笑顔なのか、母親の勝手な思いからの笑顔なのかをテストすると思います。そしてこの思いをしている限り、多分テストに合格しないから、母親は子供の将来を気にし続けなければならなくなります。

>私は、そこの部分には共感出来ずにいます。
きっとこの質問をしてくださった御母様は、何か違うと感じられたのでしょう。其れはきっと登校刺激のことを配慮されていないことに気づかれたのだと思います。この文中の不登校経験の母親は、子供から登校刺激を取り除くことを配慮していない、場合によっては引きこもりを良しとしていないと、この質問を下さった母親は感じられたのではないかと思います。

>何か職業について経済的に自立を目指してほしいと思っています。
思うのは自由ですが、子供を信頼することが大切です。子供を信頼すると言うことは、子供の将来は子供自身が全て決めるのであり、母親はその子供が決めたこと全てを認めていくという意味です。子供は心が元気になったら、必ず社会的に、経済的に自立をしようとして、結果的にしますから、余計なことを思わない方が良いです。余計なことを思おうとその分笑顔が少なくなります。

>先生がおっしゃる子供の本能が機能して、与えられた環境に順応しようとする、とありますが、与えられた環境というのは、外の社会ということでしょうか。
最初は家庭です。子供は生まれ落ちた瞬間から、子供の持つ本能で、母親のいる家庭に順応していきます。その後家庭から出て行き、出て行った子供社会や大人の社会に順応していきます。その結果として、出て行った大人社会が日本文化なら、日本で育つ限り、日本人的になります。決してアメリカ人的になれません。日本人でもアメリカで育つとアメリカ人になってしまいます。

>今与えられている環境というなら、“居心地のよい家の中”なのですが。
不登校の子どもの場合、心が元気になるまでは其れで良いです。そこで心を元気にして、子供社会、大人社会に出て行ってもらうので大丈夫です。不登校の子どもでなくても、これが一番良いのですが、親はついつい、子供の心を無視した欲を出してしまいます。