自傷行為

20歳の娘は中学校から不登校になり、今引きこもっています。時々自傷行為をするので、医療にかけましたが、娘はクスリを飲もうとしません。

一昨日「母さんもリスカをするように」と、娘からカミソリを渡されれました。私が戸惑っていると「リストカットだけでもいいから、ママもしてみて」と言いました。その後、娘は私に向かって暴言を続けた後、自分の部屋に入っていきました。しばらくして娘がやってきて「やったの?」と聞いてきました。私が怖くて出来なかったというと、その後激しい暴言がしばらく続きました。

昨日も娘は私にリスカをするようにと言って来ました。私が怖くて出来ないというと、その後激しい暴力と暴言が続きました。そして今日も同じことが起きました。このようなときはどのようにしたら良いのでしょうか?

<解説>

常識的には、娘がリスカをすることは心の病気と考えられます。しかし娘の心から言うなら、死ぬほど心が辛いから、その辛さからの回避行動としてリスカをして居ます。心が辛いとリスカをしても、その程度にもよりますが、普通の人が考えるほど痛みを感じません。リスカという方法を用いて痛みを感じることで、心が辛い人は、心の辛さから一時的に逃れて、自分を取り戻しています。それ故に、母親が娘の心の辛さから娘を守られたら、娘はリスカをしなくなります。

娘のリスカを止めようとすると、娘の辛さがより強くなり、よりリスカをしてしまいます。それ故に娘のリスカを否定しないで、娘の心の辛さに共感してスキンシップをしてあげる必要があります。この娘の心の辛さは自己否定である可能性が極めて高いです。母親は娘の自己肯定感を高めるために、娘のリスカをする姿を認めると同時に、娘の自己肯定感を高める対応が必要です。その意味で、娘がクスリを飲もうとしないことをそのまま認めることは、娘の自己否定を増強させない方法になります。しかしそれだけでなく、自己肯定感を高める対応が必要です。

今回の娘は母親がどれだけ娘を信頼しているかテストしています。娘からの要求を母親がどれだけ叶えようとしているのかをテストしています。娘からの要求、母親もリスカをするようにと言う要求を母親は叶える必要があります。でも母親にはリスカをすることが出来ません。ですから、母親がリスカを出来ないというのでは無くて、まず母親がリスカをすると娘からの要求を受け入れて、リスカをしようとする必要があります。リスカをしようとした証拠を見せて、例えばカミソリの圧痕を見せて、「あなたの言うとおりに、リスカをここまでしたけれど、御母様はとても怖くて、これ以上どうしてもできなかった」と答えるべきでしょう。それと一緒に「こんな怖いことをしなくてはならないなんて、ほんとうにごめんね」と母親は娘に謝って、ハグなどのスキンシップをすると良いと思います。