トラウマについて(9)

トラウマについてのMSGは終わりましたが、トラウマに関して重要な要素、否定について考えておく必要があります。トラウマが機能をしたとき(恐怖の条件刺激に晒されて、恐怖の条件反射を起こしたとき)、多くの場荒れ荒れたり、問題行動をします。ところが大きな力(不登校の子供なら親や大人の力)で荒れたり、問題行動を押さえつけられてしまうと、心の病の症状(精神症状)を出してしまいます。

この心の病の症状は、トラウマが反応した人によって、トラウマの反応から逃げられなくて出す人がいます。又、殆ど同じことですが、トラウマの反応から逃げられなくて、その逃げられない原因を自分に求めて、「このような自分では駄目だ、生きている意味が無い」と考えて、又は感じている場合=自己否定を起こしている場合があります。

トラウマの反応をたびたび経験した人(大人や子ども)は、トラウマが反応をしなくても、何かの折(親や他人からちょっとした否定を受けたとき)に自己否定を起こしてしまいます。自己否定を起こすことで、辛い心の病の症状を出すようになります。自己否定を生じた瞬間に、辛い心の症状を出すようになります。多くの人は自己否定という言葉を知っていても、具体的にどのような姿なのか知りません。自己否定が軽度の間は、自己否定をして居る人に、自己肯定感を与えて上げることで、自己否定の問題を解決出来ます。心の病の症状をなくすることが出来ます。心の病の症状を出さない人にすることが出来ます。けれど多くの人は自己否定の具体的な意味を知りません。自己肯定感の意味も知りません。内容はとても簡単なことなのですが、現実にはとても難しいです。

自己否定から辛い心の症状を出している人は、なぜ自分がこのように辛い症状を出しているのか分かりません。その結果、ますます自己否定を強めていき、ますます辛い心の症状を強めていきます。そして、心が辛い症状を出している人も、周囲の人も、何故その人が辛い心の症状を出しているのか分からなくて、その人が(自己否定から生じる辛い心の病の症状なのに)心の病と判断するようになります。

断定的に言うなら、辛い心の症状を出している人は、トラウマにより生じる辛さから逃げられないか、その結果として生じている自己否定がより強まって、心の病の症状を出しています。このような子どもを不登校の子供で経験して来ています。