帰って来た息子

高校中退の息子は家を出て一人暮らしをしていました。母親が息子を突き放すのを止める対応に変えたら、息子は家に帰ってきました。其れまでしていたアルバイトを息子はを辞めました。その後、昼夜逆転で、眠れなかったりもしますし、食事の時間も不規則になりました。最近まで続いていた私との会話、私に何かを相談してきたり、甘えてくることは無くなりました。
今の母親の対応は見ない言わないスキンシップ、だけで良いのでしょうか?

<解説>

>高校中退の息子は家を出て一人暮らしをしていました。
心が元気なら、家を出て一人暮らしは、息子の自立になります。しかし高校中退は、家庭内での経済的な問題と言うことはまず無いでしょうから、今の時代高校に行くのが辛いと言う意味、不登校でしょう。高校は義務教育ではありませんが、今の時代では高校に通うことは子どもの心にとって義務教育に相当するようになっています。ですから、子どもの心の中では、小、中学生の不登校と同じようになっています。

高校生年齢の不登校でも、心を元気な大人にして社会に送り出すには、小中学生の不登校と同じ対応が必要です。子供の辛い心を癒やす母親又は代理母の存在が必要です。そしてその母親又は代理母との間の信頼関係が必要です。その信頼関係に守られて、子供は辛い心を癒やし、心のエネルギーを高めて、実社会に出て行かれるようになる必要があります。

母親又は代理母との間の信頼関係が無い子どもの心はとても危険です。例えるならたこ糸が切れて凧のように、実社会の中でどこに飛ばされていくか分かりません。本当に運が良ければ経済的に自立できる子どもになるかも知れませんが、それでもその心は社会に順応できるような心になれません。何かの折に問題行動をしてしまいます。それは母親を苦しめることになります。取り返しが付かないことになります。子どもが納得して、母親も納得して、大人として社会活動ができるようになるには、心が大人になるまでどうしても母親又は代理母との間の信頼関係が必要です。

>母親が息子を突き放すのを止める対応に変えたら、息子は家に帰ってきました。
息子は母親を求めていたという意味です。息子は経済的にも、心も、母親に守られて、息子なりの成長をしたかったのです。

>それまでしていたアルバイトを息子はを辞めました。その後、昼夜逆転で、眠れなかったりもしますし、食事の時間も不規則になりました。
経済的に母親に守られたかった、未だ息子なりの生活、成長が確立されていなかったので、息子なりの生活形態を模索し始めたのです。つまり、母親を信頼し始めて、今度は自分探しを始めたという意味です。

>最近まで続いていた私との会話、私に何かを相談してきたり、甘えてくることは無くなりました。
母親の思いに従って生きる、母親に依存をして成長をするのではなくて、自分なりの生き方を自分で探しているのです。それが出来るのは、母親に信頼され始めている、母親に守られているという安心感があるからです。

>今の母親の対応は見ない言わないスキンシップ、だけで良いのでしょうか?
母親が子どもへの信頼感を表現する良い方法です。ただ、今まで一人暮らしをさせていたという過去の母親の失敗を補うために、共感とスキンシップは未だあった方が良いように思います。この二つの対応を、母親なりに両立させるのが良いです。