不登校と医療 16

此も医学的に認められていませんが、そして私の経験的なことなのですが、もう一つは、向精神薬が精神症状を軽減する様に脳に機能をしますが、嫌悪刺激への閾値細胞には機能をしていないのでは無いかと推測されることです。

五感からの刺激、脳の記憶からの刺激は、大脳辺縁系扁桃体で評価されます。その評価の際に、刺激への反応の程度を決める(=閾値に関係する)細胞群があることが分かっています。この閾値を決める細胞群に向精神薬が機能をしていないのでは無いかと推測されます。

向精神薬で嫌悪刺激に対する反応が弱められていても、この閾値細胞はその反応が弱められていないとすると、気がつかない内に嫌悪刺激に対する閾値細胞の閾値が下がってきてしまって、同じ嫌悪刺激でも閾値が下がったために、強く反応をするようになります。この反応はそれまでは向精神薬で弱められていたのですが、閾値が下がったことで、今までの向精神薬では抑えきれなくなったことが考えられます。

どうも向精神薬は症状を出す神経細胞のネットワークの活動を弱める様ですが、この閾値細胞の閾値には関与していないようです。報償刺激の慣れの仕組み、嫌悪刺激の相乗効果の仕組みは、この閾値細胞の機能と考えられます。