あの釣りがなぜ楽しいの

ある主婦からの質問です。夫が朝早くから釣りに出かけて、何匹かのあじを釣って、夜に意気揚々として帰ってきました。夫はとても嬉しそうです。妻の私には魚の後始末など結構大変です。釣りに行かないで欲しいぐらいです。私はなぜそれほど夫が嬉しいのか理解できません。

嬉しいは感情です。感情は情動の一つです。情動は大脳辺縁系で生じ、自律神経を介して、内蔵などの体全体に表現されます。

常識的にはうれしさが先で、そのうれしさが体に表現されるように理解されますが、確かに大脳辺縁系でうれしさを表現する指令が出て、其れが体全体に表現されて、その体全体に表現されたうれしさと、その時の状況を知的に判断することで、その時自分は嬉しい状態だと判断するようです。

魚が釣れたこと自体、釣りをしない人には少しも嬉しくないはずです。釣りをする人は、その釣った魚を自慢することで、他の人に自慢をしなくても、自分なりの目標を達成したことで、それらから生じる報償自体を、叉は報償を予測して、其れを繰り返すことで、魚が釣れたことが喜びになっています。一種のパブロフ型の条件反射を学習した、オペラント条件反射を学習したという意味と理解できます。