バカ母さん 3

<症例 前回の続き>

それでも「ここの中学に行きたくないけれど、どうしても中学校は卒業しておきたい。絶対に卒業する。」と息子は言います。その時母親は「中学校に行かなくて良い」とはっきりと言っています。
今日、その息子が「俺、やっぱり中学校行くのやめようかと思うんだ。中学校は小学校より人間関係めんどなのが嫌なんだ。高校ならいろんな所から人が集まるから、高校から行くことにしようかな」と言いました。私は、「そうだね、それが良いと思う。」と言いました。「もしかして私はテストに合格できたのでしょうか。」と私に質問をしてきました。

>それでも「ここの中学に行きたくないけれど、どうしても中学校は卒業しておきたい。絶対に卒業する。」と息子は言います。その時母親は「中学校に行かなくて良い」とはっきりと言っています。
母親のバカ母さんの対応で心が楽になり、安心してゲームに没頭できていても、息子は意識のどこかで学校に行くことを考えています。それを考えないためにゲームに没頭するのですが、それでも時々学校に行かなくてはと言う思いを思い出しています。現在は新学年が始まるときですので、小学校を卒業をしたら中学校に行くことをついつい考えてしまいます。それを考えると息子が辛くなるので、息子は学校に行かなくて良いと言う許可が欲しいのです。もちろん以前から何回も母親が学校に行かなくて良いと言っていても、完全に腑に落ちていませんでした。
そこで母親にテストをしたのです。

大人の発想だと「中学校に行きたくないけれど、行かなくて良いか?」とストレートに中学校に行かなくて良いかどうかを質問します。子どもでも母親との間に信頼関係があるなら、同じように質問をします。しかし子どもの場合、母親との信頼関係がないときには、母親の真意を知りたいときには、母親が喜ぶような質問の仕方をします。それが「どうしても中学校を卒業しておきたい。絶対に卒業をする」という形での質問になります。

常識的な母親だと、これは息子が学校に行きたがっているから学校に行かれるようにしてあげるべきと考えます。学校に行きたくないことは分かっているけれど、中学校は努力して行ってくれるつもりなのだと考えます。つまり息子は母親が常識的な母親なのか、いつも母親が言う「学校に行くな」という言葉が本心なのか、
無意識にテストをして居るのです。母親が息子の言葉をそのまま信じて、「それでは中学校から頑張っていこうね。お母さんはそれを応援するよ」と言ったら、息子は嬉しそうにして「うん、そうする」と答えます。つまり母親の言葉に息子は本心からでなく、よい子を演じたので有り、息子の心の奥底では母親に対して不信感を強めてしまいます。その後息子は辛くなり母親に向かって荒れてしまいます。

この息子の言葉に母親が「中学校に行きたいのね」と答えたら、普段から母親が言っている「学校に行くな」という言葉は、嘘を言っていると感じてしまいます。母親に不信感を持ってしまいます。母親の「中学校に行かなくて良い」という言葉は、息子の言葉を否定していますが、学校にいけないと言う本心を肯定しています。母親の言葉に息子は「なんで行きたいのに、否定をするの?」と怒る、場合によっては荒れるかもしれませんが、その後心がほっとして、母親をより信頼するようになります。