心のエネルギーの分配 4

心のエネルギーが十分に貯まっても、子どもがその心のエネルギーを何処に使おうかとすることで子どもの姿が異なってくることを申し上げました。多くは今までしてきたことに心のエネルギーを注ぎ、その過程の中で新たに経験した接近系にも心のエネルギーを注ぐようになります。子供特有の本能からの反応の仕方です(大人の場合には原則として現状維持です。新しい接近系に一時的に心のエネルギーを一時的に注いでもすぐに止めてしまいます)。

それでも子どもは親が希望する方向になかなか心のエネルギーを注ぐようになりません。其れは注ぐ必要を子どもが認めないからです。子どもが注ぐ必要があると情動で判断したときには、その方面への動きも始めます。ですから親が希望する方向に子どもが必要性を感じるようになったときに、子どもは親の希望する方向に動き出します。その動きは自分が進みたい方向に付随する程度です。

子どもが必要と感じるには、子どもがその必要と感じるようなことを経験しなくてはなりません。そのために子どもがいろいろなことを経験するように、親は基本的に子どもの手助けをしないで居る必要があります。手助けをするとその親が手助けしたことを子どもが経験しないからです。親は子どもが助けてと表現したことだけを子どもが希望する範囲で手助けをすれば良いのです。

親が希望する方向を子どもに要求すると、其れは多くの場合子どもにとって心の負担になることが多いです(心が元気な子どもは其れを利用して自分の能力を伸ばすことが出来ます)。よい子を演じて其の要求を実現した後それ以上其れを求めません。つまり子ども発の要求でなくてはなりません。子ども発で親の希望する動きを子どもが必要と感じる方法を親は考える必要があります。