子どもが身につけてしまった「学校に行かなくてはならない」という思い

日本の子どもの場合、学校に行くべきと言う記憶をとても強く残っています。この記憶を消すには、時間を要します。其れは一度記憶した知識を忘れるのに時間がかかるのと同じです。 子どもは大人より学習からの記憶能力が高いから、「学校に行くべき」 という記憶を忘れることが難しいです。より早くこの記憶を無くするには、学校を徹底的に思い出さないことが必要です。この記憶を思い出すたびに、この記憶は強化されていき、忘れられなくなります。ですからそのために何かに没頭する必要があります。この記憶を思い出さないように何かに没頭するには、情動の接近系を働かせれば良いです。つまり楽しいことに没頭すれば没頭が可能になります。その没頭している間学校を忘れていられますから。

不登校の子供が「学校に行くべき」という記憶を思い出さないでは無くて、学校を思い出しても良い方法があります。その方法は理論では可能ですが、現実的でありません。大変に難しい方法なので、試みない方がよいです。それは脳科学的に言うなら、神経生理学的に言うなら、逆条件付けをすることなのです。

不登校の多くは、ですから不登校とはと言って良いと思いますが、多くの子どもでは楽しい学校が、学校内で生じた辛いことの繰り返して、辛いものとして条件付けられた状態です。この辛いものとして条件付けられた学校を、学校という条件下で、つまり学校を意識(正確には認知)している条件下で、とても楽しいことを何回も経験させて、学校を楽しい物として条件付けし治す方法です。

あくまでも頭の体操ですが、学校内でお気に入りのアイドルのライブを繰り返すとか、学校に行ってその子どもが楽しいこと(楽しいことと思ってさせても、実際楽しくないことがあります)だけをさせ続けるのです。学校で楽しいことをさせるつもりで、嫌がり苦しむ子どもを学校に連れて行って(連れて行くこと自体が大変に難しい)、楽しいことをさせたつもりが、実際は楽しくなくて、かえってfecorを強めてしまう可能性の方が高いです。

やはり頭の対応になりますが、不登校の子供の学校を楽しい物として逆条件付けるのでは無くて、学校が辛くないものと条件付ける方法です。楽しいところと逆条件付けるのでは無くて、辛くないところとfecorのはんのうが無くなるようにする方法です。具体的な方法は、不登校の子供を、どんなに辛い反応が起きていても学校に連れて行って、学校で辛い反応を起こしていても、学校に子どもを止まらせ続ける方法です。子どもの人権に反する方法になります。そしてその効果が出てくるのにとても長い時間を要しますから、人間に用いることは不可能に思えます。動物実験では、嫌悪刺激で条件付ける場合、すぐに条件付けられて、その回避系になった条件刺激を与え続けると、その動物は暴れ続けますが、やがて空く身の状態になってしまいます。人間では所謂精神病の状態です。それでもその条件付けられた嫌悪刺激を与え続けると、それも何百回も与え続けると、やがてその動物は何も無かったかのように動き出します。その条件付けから生じた嫌悪刺激に反応をしなくなります。その脳科学的な仕組みは未だ分かっていません。あくまでも現象からの話しです。