反抗期

多くの方は子供の反抗期があると考えていらっしゃいます。子どもの成長の過程で、多かれ少なかれ、必ず反抗期があると考えている人が多いです。反抗期が思春期に見られるので性ホルモンの関係で反抗期が生じると考えている人も居ます。性ホルモンの変化なら、他の動物にも反抗期があって良いはずですが、類人猿ですら反抗期はありません。

俗に言われる反抗期と呼ばれる子供を観察していますと、その子供がしきりと自己主張をしている姿が見られます。自己主張をする時期は私の観察する限り子どもの成長の過程の中で2回あります。

一回目は2~3歳頃です。子どもの情動が確立してその情動から自己主張を始めるときです。子供の生活様式が複雑になること、子供の経験が増えることで、この自己主張は目立たなくなります。特に現在、親が子供の訴えを尊重する傾向がありますから、この時期に気づかないで過ぎてしまう子供も多いです。

二回目は思春期頃です。それまでは情動と経験から行動をしていますが、思春期になると体力的に大人になりますから、自己主張として、今まで出来なかった行動をするようになります。今まで体力不足で出来なかったか、弱かった自己主張が、体力が大人に対抗できるようになり、強く自己主張をするようになります。それまで親の指示に従っていた子供がそれに反して自己主張をすると、親が今までとは違った子どもの行動として認識するようになります。それでも親が希望するような行動なら、かえって親は子どもの成長として喜びますが、親の意に反するような行動だと親はびっくりして、反抗期だと理解します。