或男の子からの考え方 33

>自分の夢だったリサイクルショップを開いて元気を取り戻しました。

夢を実現しようとする、実現した母親の姿は、子どもにとって励みになるというのが常識的な考え方でしょう。それは心が元気な子どもについての理解です。心が辛い子どもにとって、母親が 「子どもの心に沿った対応をしながら」 、母親の夢を実現していったなら、それは子どもにその子どもなりの生き方、成長の仕方を許可するという母親からのMSGになりますから、母親の姿が子どもの心の癒やし、接近系になります。子どもは母親を信頼できるようになります。子どもは自分探しがしやすくなります。

心が辛い子どもにとって、母親が辛そうにしている姿は、「子供自身が親を苦しめているから、子どもとして好ましくない(実際はその様に言葉にする事はありませんが、子どもの反応の仕方として、大人の言葉でこのように表現するのが当てはまっています)」と反応をして、自己否定に陥り、ますます子どもを辛くします。子どもにとって、母親が何をしていても、何をしようとしていても
子どもの話に母親の意見を言うこと無く、無条件で制限無く聞き続けてくれる
子どもの要求を即座に笑顔で100%だけ叶えてくれる
それ以外の時、子どもを見ない、子どもに言わない、母親の笑顔、が母親にあると、子どもはその子どもなりに自分の心を元気にして、自立していってくれます。

純一君の場合、そのあたりのことが全く書かれていません。どの様な形で母親の夢を実現したのか、全く書かれていません。それまでの母親の対応の延長上で考えるなら、上記の内で純一君を見ない、純一君に言わないの関係になったかもしれません(母親と純一君との間に信頼関係があれば、それは母親と純一君との間の信頼関係を強化していきます。母親と純一君との間に信頼関係が無ければ、純一君は母親から放棄されたと理解します)が、それ以外の事柄はそれまでの延長上にあったと思われます。特に母親の笑顔が無い状態では、純一君は母親から放棄されたと、母親は純一君を放棄して、自分の好きなことだけをするようになったと理解したはずです。

今まで依存をしていた人や事柄が、突然消失したとき、依存をしようとしていた人や物が突然消失したとき、大人も子どももとても強い葛藤を生じて、心がとても辛くなります。回避行動(荒れる、問題行動をする、心の病の症状を出す)を取るようになります。きっと純一君も母親に対して問題行動を取ったはずです。それも激しい回避行動になっていたはずですが、そのことは書かれていません。そのことを無視した文章になっています。