或男の子からの考え方 31

>その後、母親は「純一君は純一君の人生を自分で歩んでいくしかない」と母親としての気持ちに区切りをつけ、自分の夢だったリサイクルショップを開いて元気を取り戻しました。

>その後、母親は「純一君は純一君の人生を自分で歩んでいくしかない」と母親としての気持ちに区切りをつけ
これは母親が純一君に、働け、働けと、言わなくなったという意味だと思います。一見、働くことが出来ない純一君の心に沿っている様の思えます。しかし気持ちに区切りをつけたと表現されていることから、母親として納得できない決断だという意味だと思います。きっと純一君は母親に理解されたと判断していないはずです。純一君は母親から純一君の将来を放棄されたと理解するでしょう。その結果が文中に書かれていませんが、純一君は母親が嫌がる問題行動をするようになると思います。

母親が純一君の心を理解している発想の仕方は、「純一君は純一君らしく、純一君の心に素直に純一君の人生を歩んで行って欲しい」という言葉、発想です。この言葉は母親の言葉ととても似ています。大きな違いは純一君の現在の姿を認めようとする母親の思いです。ですから、それだけでは不十分で「母親はその様な純一君を支えていく」という言葉とその言葉にそう母親の対応が必要です。

純一君の母親には、純一君の辛い心を知ろうとする、母性の機能が文中に書かれていません。きっとこれ以上対応をしても純一君を辛くするして見ていられない、また母親自身も純一君の対応に疲れてしまったという意味なのでしょう。母親として今までと比較して楽な対応をしようとしたという意味だと思います。母親は純一君への対応から逃げたという意味になります。これ以後母親は基本的に純一君を避ける行動をしたはずです。