ある母親からの相談の解説 3

私たちはテストという言葉をしばしば使います。子どものある言葉を含めて行動への親の対応で、子どもの心の状態が大きく変わる場合をテストと表現しています。

子どもの辛い心からの言葉や行動を表現したとき、これをテストと言って良いと思います。子どもからのテストに対して親が子どもの辛い心を癒やす対応、子どもの心が辛いと言うことを認める対応、をしたとき、親はテストに合格したことになります。子どもからのテストに対して、親が子どもの辛い心を否定する対応をしたとき、親はテストに不合格だったことになります。

間違えていけないことは、テストとは親の立場からの対応の選択を考えるときの概念です。決して子どもが親をテストしようとしているのではありません。子どもは素直に自分の心の辛さを訴えただけなのですが、それに対する親の対応法を考えるとき、その対応次第で子どもの心の状態が大きく変わるという意味なのです。子どもの辛さが無くなるのが正解、子どもの心の辛さが辛くなるのが不正解になります。子どもの心の辛さが軽減するのも正解に入ります。

>「今になって、学校に行かなくなって良かったと思っているけれど、一度制服を着て学校に行ってみたかった」と言ったのです。
登校刺激を受けて、お子さんが辛い心になっていたので、其れを御母様に訴えました。これもテストだったのです。
決して制服を着たい、着て学校に行きたいと言うことを言っているのではありません。
常識ではこのことば通りに理解して、制服を着せてあげたい、着せて学校に行かせてあげたいと考えますが、其れがテストに不合格なのです。

>私は長男の言葉をはっきりと聞いたのですが、見ない、言わない、笑顔の対応法を貫くために、聞こえなかったことにして、聞きながしました。
それが正解です。
果たして其れが満点の正解かどうか、私にも確信を持てないのですが、もし満点の正解なら、以下の言葉は無かったはずです。ではどの様な答えがあったら満点の正解かというのが私にも分かりません。然し以下の言葉への御母様の対応で、トータルで満点の正解になったようです。
ですから、一つ一つのテストに合格しさえすれば、一つ一つのテストに満点の正解を出さなくても良いと私は判断しています。

>すると長男は「**の自由だからな」と言いました。
>登校刺激が長男を苦しめたのでしょうか?
登校刺激という意味で、程度は軽いですが、長男を苦しめたと思います。そこで御母様をテストしました。最初の答えだけで不十分だった、合格だったけれど、満点で無かった=長男が十分に納得しなかったので、テストを続けたのでしょう。ただその言葉だけですし、それ以外にはっきりとした回避行動を示していませんから、今後新聞を長男に見せない、気づかせないようにするだけで良いはずです。
今後のこの対応を含めると、テストに満点の合格になると思います。

次回、もう少しテストについて