親や家庭が不登校の原因の場合

不登校トラウマの原因が、学校以外の場合はどうですか?
親や家庭が原因で学校に行けなくなった場合です。
例えば、親がモンスターペアレントで学校や教師に文句ばかり言っていて子どもが学校に不信感を持つようになり行かなくなったとか、子どもが望んでいないのに親が先回りをして長期に学校を休ませた結果子どもが登校しずらくなってしまった、とか、夫婦や嫁姑間の家庭不和で子どもは学校どころの精神状態ではなかった、などの場合です。
親や家庭が原因の場合、子どもは学校と離れることはできても親と離れることはできませんが、親が変われば子どものトラウマは消失するのでしょうか。

不登校トラウマの原因が、学校以外の場合はどうですか?
>親や家庭が原因で学校に行けなくなった場合です。
トラウマを言葉からの理解で無く、脳科学から理解する必要があります。但し脳科学の部分を文章にするのは、ここでは出来ませんから、その結果だけをお話しします。
トラウマとは強い恐怖反応ですから、強い恐怖反応を起こす物からしか生じません。不登校の子供で学校内にそれほど強い恐怖刺激が無くても、その強い恐怖刺激を繰り返すことでとても強い恐怖反応を生じるようになります。不登校とは学校内で強い恐怖刺激があるか、強くはないが極めて頻回に繰り返す恐怖刺激がある場合にトラウマを生じます。
親や家庭が恐怖刺激になる場合には、子供は親や家庭を拒否して家を出て行くか、親や家庭を避けて自分の部屋に引きこもります。しかし学校を拒否することはありません。学校を拒否する限り、子供は学校にトラウマを感じて居ますし、親や家庭を拒否しているなら親や家庭に恐怖刺激を感じていても、その恐怖反応がトラウマの機能を持つことは皆無と言って良いです。

>例えば、親がモンスターペアレントで学校や教師に文句ばかり言っていて子どもが学校に不信感を持つようになり行かなくなったとか、
不信感ぐらいではトラウマは出来ません。強力な恐怖か、極めて頻回に繰り返す恐怖でトラウマは出来ます。ただし、不信感があると不登校問題の解決が遅れます。不登校問題の解決には親と子供との間の信頼関係が、絶対に必要ですから。

>子どもが望んでいないのに親が先回りをして長期に学校を休ませた結果子どもが登校しずらくなってしまった
これも良く間違える理由です。子供に長期に休まなければならない心の状態、つまりトラウマがあったはずです。不登校問題の解決には、絶対的に母親と子供との間の信頼関係が必要です。親が子供を信頼していないという表現になっていますが、理解して頂けますでしょうか?

>夫婦や嫁姑間の家庭不和で子どもは学校どころの精神状態ではなかった、などの場合です。
子供が家庭を拒否することはあっても、それだけで学校を拒否する原因にはなりません。子供が不登校になるには学校内で極めて強い恐怖があること、叉は頻回に繰り返す恐怖があることが必要です。この頻回に繰り返す恐怖からの辛さを家庭で癒やされないという問題点はありますが、それでも家庭内の問題が不登校の直接の原因ではありません。不登校とは学校に反応をして子供辛くするトラウマがあるから、子供の学校に行きたいという本能以上に、学校が辛くて、学校に行かれなくなっています。しかし家庭内に不和があると、このトラウマが出来やすくなる可能性はあります。学校内で受けた辛さを家庭内で癒やせないので、翌日学校に行って受けた辛さが、より強く辛く感じてしまうと言う問題点はあります。不登校を助長していると言えますが、原因にはなりません。

子供は大人と違って意識的な動きは無いか、殆どありません。子供が刺激を受けたら、その刺激に素直に子供は反応をします。子供が拒否をする物が子供を辛くしています。子供が楽しんで居る物が、子供が楽しめる物です。子供がよい子を演じている場合には、この原則は成り立っていないように見えますが、子供がよい子を演じるのを止めたときにこの反応がより強く出ることで、やはりこの原則が成り立っていることが分かります。
この質問のようなことが起こるのは大人の心についてです。子どもの心にはこのようなことは起こりません。つまり大人の心と子どもの心とは異なるのです。

>親や家庭が原因の場合、子どもは学校と離れることはできても親と離れることはできませんが、親が変われば子どものトラウマは消失するのでしょうか。
親や家庭が不登校の原因にはなりませんが、不登校からの回復は家庭で行われますから、回復に悪影響を与えます。子どもの不登校からの回復に母親が子供の辛い心を癒やす高校に関われたなら、子どもの心にあるトラウマは消失します。つまり、母親の対応が子どもの不登校を助長する方向に機能をしていたのが、子供の不登校からの回復を促進する方向に変われば、つまりこれを親が変わると表現するなら、その通りです。
しかし、親が子どもの不登校を回復する方向に変わるというのは至難の業です。多くの場合の親は、子どもの不登校を受け入れても、子供が不登校から回復するのを待ちきれないようです。それは子どもの不登校からの回復を遅らせてしまいます。

ここで注意して頂きたいのは、不登校からの回復とは子供が学校に戻ることを意味していません。子供が心が元気な状態で社会に出て行ってくれて、社会的にも経済的にも、その子供なりに自立する姿です。その様な子供の中にかなりの割合で学校に戻る、進学して学校に戻るという成長の仕方もあります。
トラウマが消失する=学校に戻るという意味ではありません。学校に戻るかどうかは子供の判断に任されているという意味です。