考えなくてはならないこと

神戸北署は14日、父親(49)を果物ナイフで刺し殺害しようとしたとして、神戸市北区の男子高校生(16)を殺人未遂容疑で逮捕した。同署が殺意の有無なども含めて調べている。
逮捕容疑は同日午前8時35分ごろ、自宅で父親の右腹部を果物ナイフで刺した疑い。父親の命に別条はないという。
同署によると、男子生徒は父親と2人暮らし。直前に親子げんかをしていたといい、男子生徒がスマートフォンで「親に虐待を受けている」と110番通報。父親がスマホを取り上げて通話中に刺されたという。男子生徒の体に虐待の痕跡は確認できておらず、同署が虐待についても調べる。

この事件から考えなくてはならないこと

>父親(49)を果物ナイフで刺し殺害しようとしたとして、男子高校生(16)を殺人未遂容疑で逮捕した。
警察を含めて、大人からの理解は、父親は男の子を説得しようとしたと考える人が多いと思います。男の子はその説得に応じないばかりか、反発したのでしょう。
子どものためとして父親がしたことに男の子が反発したとなると、昔では子どもとしてあるまじき姿の男の子と考えるでしょう。けれど、男の子の立場から言うなら、男の子としてとても受け入れられないことを父親が要求してきたので、父親の要求を拒否をしました。拒否をしても父親が必要に父おからの要求を突きつけてきたので、男の子は我慢できなくて父親に向かって荒れたのだと推測されます。多分このようは父親と男の子とのもめ事は、今回が初めてではないと思います。このようなもめ事が何回もあり、男の子も耐えきれなくなって発作的に果物ナイフを用いたのだと思います。

父親が何を求めて男の子を説得しようとしたのか、このニュースからわかりませんが、この年齢で経験する割合が大きいのは非行か、学校に行かないを含めて日常生活の乱れでしょう。私が対応をしているこの年齢の子どもでは、学校に行かないで、家でゲームばかりをしている、昼夜の生活のリズム、風呂にも入らない、歯も磨かないなどの日常生活の乱れ(大人から見て)が続いていたので、父親として何とかしたかったのだと思います。これは大人の立場からの子どもへの評価の仕方ですが、男の子にとってこれがとても辛かったのだと思います。男の子の立場から、虐待という言葉を使ったのだと思います。

16歳の男の子なら、父親と力で渡り合える場合がありますが、このケースの場合、渡り合えなかった、父親の力にかなわないと子どもが感じたので、刃物を持ちだしています。子どもが父親と力で渡り合えるときには、父親に向かって激しい暴力となります。子どもが父親と力で渡り合えないときは、このケースのように刃物を用いるか、棒などの武器になる物を使います。其れができない子どもは、家から飛び出していき帰らなくなりますし、飛び出さないけれど心の病の症状を出すようになります。もちろん男の子に父親殺害の意図はありません。父親の対応に耐えかねて、無意識に、発作的に、ナイフを用いたのだと思います。

>男子生徒は父親と2人暮らし
きっと男の子の生活の乱れの後始末は父親がせざるを得なかったのでしょう。父親は職業を持っていたはずです。職業と家事とで精一杯だった日々が続いていたのでしょう。父親に心の余裕がなかったはずですから、子どもを説得することを繰り返したのだと推測されます。もし母親がいたら、父親の日常生活の負担が大きく減るので、このような事件が起きなかったと推測されます。

男の子の問題点が非行でも不登校でも、子どもが対応を求めるのは母親です。父親はどうしても知識が優先して、頭越しの説得になりますから、男の子は心の逃げ場を失ってしまった可能性があります。

>確認できておらず、同署が虐待についても調べる。
虐待には身体的な虐待と、心への虐待があります。男の子は心への虐待を警察に訴えたのでしょうから、身体に虐待の傷跡はないはずです。
男の子の辛い心を理解しない父親がいたことは間違いないでしょう。父親には男の子の辛い心からの行動が、父親には男の子が怠けていると理解していたのではないかと推測します。