子供の心2解説3マリオネット

母親と子供との間の信頼関係は、人形師(母親)とマリオネット(子供)の関係でイメージできます。ただし、同じではありません。子供は母親の思い出動く場合(母親の操る糸で動く場合)もありますが、子供が成長をして、その子供なりに動き出している時には、母親の操る糸で動いているのではありません。ただその子供なりに動く時、子供は母親と繋がっている糸(信頼関係)でその子供の動く範囲が、母親が希望する範囲に止まってしまいます。子供の傍に母親がいなくても、見えない糸で、母親に縛られています。子供が母親に見えない糸で縛られていても、子供は苦痛ではありません。危険から子供自身を守るために、子供は喜んで縛られています。

母親と子供との間の信頼関係が弱いと、またはないと、母親が操る糸が切れてしまいます。糸が切れると、子供の動きがおかしくなっていきます。母親が思いもつかない行動を子供がすることになります。子供が母親にとって、問題行動をすることになります。

子供が母親にとって問題行動をする時とは、母親と子供との間の信頼関係が弱いか、ないと言う問題があります。この場合には、一応子供の方から母親の元に直ぐに帰って来ない場合が多いですが、希に全く帰って来ない場合があります。

其れ以外にも母親が知らない、気づいていない子供の性格から、子供がたまたま行動をした結果、其れが母親にとっての問題行動になっている場合があります。母親にとっては問題行動でも、子供にとっては子供としての素直な行動ですから、子供は必要を感じて母親の元に帰ってきます。母親には見えなかったけれど、しっかりとした糸で結ばれていたという意味なのでしょう。

子供が成長をして、主体的にする行動が増えると、子供は母親が知らない世界で生活をする度合いが大きくなります。子供はその世界で母親の意図に縛られていませんが、しっかりと子供と母親は繋がっています。子供は自分なりに、また母親の思いを感じながら、子供の周囲の世界と関わり続けて、自立した大人に向かって成長をしていきます。母親と子供とをつなぐ糸(信頼)は長く伸びることはあっても、決して切れることはないのでしょう。