子供の心1解説6

>「大人の心と子供の心は異なる」という事実

最後に、この事実を纏めてみます。

母親は、子供の習慣や持っている知識を知っています。子供は子供の持っている習慣からの行動をしますから、子供の持っている習慣を利用して子育ては可能です。それでもそこに大人の知識を持ち込むと、この大人の知識が子供の心に沿わないことがありますから、子供の心を辛くする可能性があります。それでもその辛さ以上の喜びを子供に与えられるなら、子供はその母親の知識も利用して成長が可能です。其れが母親なりの子育て、子供を大人社会に順応させる一つの方法のようです。

子供は子供の持つ知識を言葉にしますが、大人の心と異なって、基本的に行動に出来ないと考えて下さい。多くの場合、子供が言葉にしたことと子供の行動が異なると、親や大人は子供責めますが、それが子供の心を辛くして子どもとしての心の成長を阻害します。 「母親だけは子供が子供の言葉通りに、知識通りに(大人が持っている常識通りに)行動が出来ないことを当たり前と考えて下さい。子供の言葉は言葉の範囲にとどめておいて、子供の言葉とは異なった子供の行動も認めていく必要があります。」 母親だけは、子供の言葉と同じような行動が出来る環境を子供の周囲に作ってあげて、子供の言葉のような行動が出来ることを習慣化させる必要があります。

母親は、子供について母親の考え方から子育てをします。しかし母親の心と子供の心と異なっていますから、母親が考えたことは、子供の心と異なっています。それでも子供の方で、大好きな母親の思いに、言葉に合わせようとします。所謂よい子を演じます。子供がよい子を演じると、母親や大人は母親の考え方が、母親の心が正しいと考えがちですが、子供の心から言うなら、大好きな母親の思いに無理をしてよい子を演じているだけなのです。それでも其れと同時に母親から大きな喜びを得られたら、その無理が帳消しになるので、次の無理、よい子を演じられます。子供の心から言うなら、子供がよい子を演じてもその辛さを帳消しにする喜びを得られるという母親への信頼感が必要なのです。

多くの人は、子供が言葉通りの行動をするのは当たり前と考えていますが、母親だけは子供が言葉通りに行動したことを喜んであげて下さい。母親によっては、母親の喜びを物で与える場合がありますが、子供は母親の喜びから得た物に依存を生じるようになり、母親の喜びの意味が薄れますから、基本的に物ではなくて、母親自身の喜びの言葉や表情、行動で示す必要があります。母親の子供への愛情と表現して良いと思います。そして子供へのこの母親の愛情が、子供の母親への信頼感を高め、母親から子供への信頼感を伝えることになります。信頼関係が強化されます。

つまり、 「母親の子育ては、母親と子供との間の信頼関係という言葉で、表現可能になります。」 基本的に、母親は子供からの要求を認め続けて、子供の失敗をそのまま認め、子供の成功を喜ぶので良いです。子供は母親の喜びを求めて其れを実現するように、子供の本能から成長をしていきます。