心の傷体の傷1

<MSG>

小学5年生から不登校になり、現在中学2年生の男の子です。今は全く学校に行っていません。現在まで無理矢理に学校に通わせた傷はかなり深いものと思われます。1年前より妹も不登校になり、妹を学校に行かせるために、妹にも無理矢理学校に行かせようとしていました。その妹への対応も息子を傷つけたと思います。

<解説>

この短いMSGから、色々な推測が出来ます。ここでは、今までの多くの不登校の子どもを育ててきた母親達の経験から推測して、心の傷についてお話しします。

>現在まで無理矢理に学校に通わせた傷はかなり深いものと思われます。
この傷という意味を、きっとこの御母様は体に出来た傷と同じように考えていらっしゃると思います。きっと刃物で大きく、深く体の一部が傷ついて、その傷があるために、傷自体がうずいて、痛くて辛そうにして居る姿を想像していらっしゃると思います。

心に出来た傷とは体に出来た傷とは異なります。体の傷は、傷があるだけでも傷の部分痛みます。その結果とても痛みに耐えられないです。その傷があること自体に対する痛み対策が必要です。ところが心に出来た傷はそれ自体では痛みません。心に出来た深い傷でも、傷があること自体では痛まない、うずかないのです。この体の傷と心の傷との違いを、皆さんははっきりと知っておく必要があります。

心の傷が痛むとき、うずくときとは、心の傷を刺激する物がある場合です。心の傷を刺激する物がない場合、心の傷があっても、心の傷を持っている人や子供でも、普通の人であり、子供です。けれど実際上、心の傷のことを言葉では知っていても、その実体を多くの人は知りません。心の傷を持っている人も、その人の周囲の人も、何でその人の心の傷が刺激されるのかを知らないために、気づかないうちに心の傷がある人の心の傷を刺激してしまっているから、心に傷があることだけで心の傷が痛む、疼くと考えています。

心の傷はあっても、その傷を疼かせなければ、大丈夫です。心の傷が疼かない限り、普通の人と同じ生活が出来ますし、普通の子供と同じ成長が出来ます。心の傷はあっても、その傷が疼かなければ、痛がらなければ、ないのと同じなのです。ただし、心の傷を疼かせる物が、痛がらせる物がないというのが絶対に必要な条件です。その点が傷があるだけで傷が疼き、痛みを感じる体の傷と異なります。

ですから、
>現在まで無理矢理に学校に通わせた傷はかなり深いものと思われます。
とありますが、その傷が深かろうと浅かろうと、その傷を疼かす物がなければ、その心の傷はないのと同じですから、このような話の進め方、議論の進め方はとてもおかしな、間違った考え方です。大切なのは何でその心の傷が疼くか、反応をするか、そしてその疼かせる物を与えないなら、心の傷があっても子供の成長には問題ないのです。