発達障害と逆行動の法則の解説

心は脳の機能です。脳は機能別に意識の心(前頭前野と記憶野)、習慣の心(運動野と運動前野)、情動の心(正しくないですが、わかりやすく感情の心、大脳辺縁系から脳幹)の三つに分けられます。

発達障害と言われる状態でも、心が辛くなければ(情動の心が回避系で無ければ)問題ないのですが、発達障害と言われるぐらいですから、その子どもやその大人の性格に、その人が属している社会に不適応をおこしていて、親や他の人からその問題点を責められて、心が辛いはずです。情動の心が回避系にあるはずです。
しかし発達障害と言われている状態の人は、その発達障害の状態が自然態なのです。その発達障害の状態で日常生活に不都合を生じるときには、その人は自分発の意思で、その不都合をその人なりに解消しようとします。その人なりに納得して問題解消をしようとします。

その状態で発達障害と言われている人の問題点を親や周囲の人から指摘されたり、常識的にするようにと対応をされると、発達障害と言われている人はその時の自分のあり方を否定されたことになります。

情動の回避系として色々とありますが、其れを纏めると痛みと否定とに大きく分けることが出来ます。つまり自然態の自分を否定されるとはその人にとって殴られたぐらいに心が辛くなります。

発達障害と言われる状態で、その人は辛いところに、その発達障害を指摘されたり、常識的に対応されることからも、その人は辛さが加重されます。情動の回避系には相乗作用がありますから、治療という名前で繰り返し否定される、其れは否定からの辛さが加重されて、他の人から見たら、その人のためとして行った対応が、善意で行った対応が、その人を殴ったと同じぐらいに辛い物になっていきます。それに発達障害と言われる状態で生活する、成長をする心の辛さも加重して、その発達障害と言われる状態の人の辛さがとても大きくなり、その辛さからの問題行動としての発達障害の症状を出し、強めて言ってしまいます。発達障害の解決にならないばかりか、かえって発達障害の症状を強めてしまいます。

このように、既に心が辛い人に、その人のためとしてその辛さを常識的に取り除こうとすると、その対応を受けたとき、心が辛い人はよい子を演じてしまって、その後、かえってその人の辛さを強めてしまうことを逆行動の法則と言います。発達障害の対応法として、この逆行動の法則を念頭に置いて対応をしないと、発達障害を解決しようとして解決出来ないばかりか、かえって発達障害を強めてしまう可能性があります。