子供の性格


以下は、私の経験からの推測と、脳科学から推測できることです。

子供は母親から生まれます。子供が生まれたときには、脳内にある知識は本能だけです。子供は本能を利用して、成長して、本能以外の知識を、自分を育ててくれる主として母親から得て、身につけていきます。子供が最初に身につけることは所謂文化、諸々の生活様式や言語です。動物にはミラーシステムという又殆ど分かっていない能力があります。子供が母親を介して見聞きしたことを自分の知識として身につけることが出来ます。子供自身の感情(正確には情動)を作り上げます。

母親との触れ合いで繰り返す動作が、子供の習慣行動になります。この子供の本能、感情と、習慣行動がその子供の性格として感じられっる様になります。子供の性格は3歳頃から4歳頃にはできあがっていきます。この子供のできあがった性格は、その手本となった母親の感情(情動)や習慣をコピーした物と考えてほぼ間違いありません。ただし成長とともに習慣の部分は変化をしますが、感情(情動)の部分は殆ど変化をしません。そして子供がもっと成長をすると、言葉が性格に加わります。言葉も言語行動と表現できるかも知れません。言葉を発するという行動だからです。

幼い子供の自虐行為は、情動行動ですが、子供の脳の中に自虐行為の神経回路は無かったはずです。自虐行為は子供が習慣行動として学んだことがスタートだと思われます。つまり自虐行為のスタートは、たまたま自虐行為に相当する行動(例えば転んで家具で頭を打った)をしたところ、母親から十分に癒やされたので、自虐行為の大本(例えば頭を打った)は子供にとって母親からの癒やしを受ける行動(情動の接近系)だったのだと思います。幼い子供では自分の心の辛さを言葉で表現できません。そこで情動の接近系として子供は頭を家具にぶつけるという鼓動をしたはずです。ですから当然そのぶつける程度は軽かったはずです。

ところが母親から癒やしを受けられないばかりで無く、頭を家具にぶつけること自体を母親から叱られる(母親は叱ったつもりで無いが子供にはその様に理解される母親の対応だった)と、子供はとても辛いんだよと言葉で言えないので、もっと強く頭を家具にぶつけてしまいます。子供から言うなら、自分の心の辛さを母親に理解してと言う意味で、頭を家具にぶつけているのですが、母親は子供が頭を家具にぶつけることが問題だ、子供の怪我が問題だと考えたとき、子供を守るために何が何でも子供が頭を家具にぶつけるのを止めさせようとします。それが母親の愛情だと理解して、なんとしてでも止めようとします。

このような子供と母親との関係は、もっと年長の子供で見られる自傷行為でも同じです。子供が訴えていることと、母親の理解との間にずれがあり、母親が母親として子供を守りたいという思いが、かえって子供の辛さを強めている姿です。