トラウマについて(4)

子どもの性格は、本能、母親の性格をコピーした性格、その時までに身につけた習慣行動、その時までに学習したパブロフ型の喜びの条件反射、恐怖の条件反射
から成り立っています。大人では意識の要素が大きくて、その時までに身につけた習慣行動とその時までに身につけた意識行動になります。但し、その時受けた刺激で生じた情動(感情)がとても強くて、意識の機能を抑制してしまったとき(感情的になったと判断される時)には、子どもの心が現れてきます。

喜びの条件反射が繰り返されると、それは習慣行動になっていきます。人々から喜ばれる性格の人になります。恐怖の条件反射が繰り返されると、突発的な問題行動をする性格になってしまいます。大人になっても良好な社会生活が出来なくなります。それ故に親は子どもの恐怖の条件反射を無くして上げる必要があります。

恐怖の条件反射が軽い場合(子どもが問題行動をしない程度)なら、恐怖の条件刺激を与えない時間を長く与える(多くは年のオーダー)で、時間の経過で恐怖の条件反射は消失する可能性があります。但しその子どもの周囲の大人は、子どもが何で苦しんでいるか(=何が恐怖の条件刺激か)気づいていないので、子どもを苦しめるつもりはなくても、場合によっては子どものためと思って、恐怖の条件刺激を子どもに与えることが多いようですから、難しさがあります。

子どもが享楽的な遊びに没頭していると、同じ恐怖の条件刺激が加わってもその機能が楽しさで弱まって、効果が弱くなるか、効果がなくなる場合もあるようです。ですから、問題行動をするような子どもはその問題行動を強制しようとするのではなくて、その子どもとして楽しいこと、享楽的でも良いですから、楽しいことに没頭させると、恐怖の条件反射が弱まっていく時間を稼げます。

もっと早く恐怖の条件反射を消失させる方法は、恐怖の条件刺激が加わったときにその時生じる辛さ異常の楽しいことをさせる、喜び刺激を与えることで、それを繰り返すことで、恐怖の条件刺激を喜びの条件刺激に変えることが出来ます(多分それを逆条件付けというのだと思います)。これを心が辛い子どもの心を癒やすと表現されている物です。最も強い喜びの条件刺激を与えることが出来るのは母親です。子どもが恐怖の条件反応で苦しんでいるとき、母親の傾聴、共感とスキンシップ、子どもの要求を100%だけ即座に笑顔で叶えるという対応はとても効果的です。他人でも、その子供と信頼関係があったら可能ですが、信頼関係が無い場合にはかえって悪影響を与える場合もあります。

恐怖の条件反射が強い場合、この状態の子どもに喜びに条件刺激にするにはとても難しいです。恐怖の条件反射が起きているときには、他の人に何も対応が出来ないからです。それでも母親が体を張って、母親の傾聴、共感とスキンシップ、子どもの要求を100%だけ即座に笑顔で叶えるという対応はとても効果的です。但し母親が恐怖の条件刺激になって居る場合には、簡単ではありません。母親自身が恐怖の条件反射を起こして、問題行動をしている子どもに近づけられないからです。それは機会があったら又述べます。

恐怖の条件刺激を学習した子ども=問題行動をしている子供の心を癒やせたら、その子供は問題行動をしなくなります。主として母親から癒やされていた対応で身につけた行動(母親との信頼関係で結ばれますから、その行動は母親を喜ばすような行動になることが多いです)を続けるようになります。それは恐怖の条件刺激を学ぶ前の行動と異なることが多いです。