8050問題にならないか心配です

>24歳で既に大人の心になっている引きこもりの息子を元気にして社会に出て行って貰うには、母親の共感とスキンシップで可能でしょうか?成人にこの対応は危険ではないですか?このまま引きこもり続け、8050問題にならないか心配です。

このような質問を受けました。母親が自分の子供に何もしないで、このまま引きこもりを続けると、8050問題を生じる可能性が高いです。では、この子供に、母親が、又は母親以外の所謂専門家が、何が出来るかです。

ここで言う信頼関係とは、常識的な信頼関係で構いません。敢えて言うなら、母と子供との一体感、母親の喜びは子供の喜び、子供の喜びは母親の喜び、と感じられる母親と子供との関係です。母親は母性から、子供は子供の本能から、この関係を可能にします。具体的な方法論は、母親が子供への傾聴と、母親の子供への共感の言葉とスキンシップで可能にします。

大人年齢の子供(以下子供と書きます)が引きこもっていると言うことは、家の外に嫌悪刺激がある場合と、家の外に嫌悪刺激は無いが、家の外に出て行くだけの心のエネルギーがない場合とがあります。子供の引きこもりを解決しようとして、常識的な対応を子供にした場合、その対応はその時の子供の姿の否定になります。子供への否定は、子供の心を辛くします。家の外に出て行く心のエネルギーすら奪って、ますます引きこもりを強めます。あくまでも私の知る範囲ですが、かなりの率で心の病の症状を出し、病院に連れて行かれて、心の病として投薬を受けて、其れ以後は引きこもりでなく精神疾患者としての生きていく姿になります。親は子供に引きこもりでなく、障害者としての対応を続けることになります。そこまで行かない場合が、8050問題となるのだと思います。

家の外に嫌悪刺激がある場合、既に大人の心になっている子供がこの家の外の嫌悪刺激の問題を解決するのはとても難しいです。そこで息子にとっての嫌悪刺激が無い場所に移動(引っ越して)そこで次に申し上げる心のエネルギーを貯めて、家の外に出て行く、自分が生きていくための生活の糧を得る練習をする必要があります。

子供年齢なら、家の中で楽しいことをしているだけで、心が元気になり、心のエネルギーが貯まって来ます。子供には子供特有の本能があり、その本能の内、新しいことを求める、同年代の子供を求める、与えられた環境に順応しようとする、母親を大好きだという本能があり、子供の心が元気になると自分から子供社会を求めたり、大人社会を求めたりします。ところが大人の心になるとこの本能は弱まって、結果的に現状維持になります。基本的に変化を求めなくなります。但し母親を大好きだという本能はかなりの高年齢になっても、例えば50歳ぐらいでも続きます。

母親を大好きだという本能は、子供の心が元気だと機能をします。子供の心が辛いとその心の辛さを解消することが優先し、母親が大好きだという本能はそのままでは機能をしません。それどこか母親が心が辛い子供の心を責めると、心が辛くなくても目の前の子供の姿を否定しますと、母親に対する怒りを生じます。8050問題の段階の多くは、この母親を大好きだという本能と母親に対する怒りとが相殺して、現状維持となり、子供は引きこもりのまま、又は辛い心を癒やすために所謂オタクの状態を続けます。結果として、子供の姿は現状維持の姿になります。

この所謂オタクの状態で引きこもっている子供に社会に出て行って貰って、一応自分の生活が出来る範囲で良いから生活費を稼いで貰うには、其れをしようとする子供の心のエネルギーが必要です。それは子供を社会の中に引き出そうとする常識的な対応では出来無いと考えられます。下手をすると精神疾患者に子供をしてしまいます。私の数少ない経験からですが、その様な心のエネルギーを導き出せるのは、子供の心に残っている本能、母親を大好きだという本能を利用することだと思います。子供が母親を大好きだと、子供の本能から、大好きな母親を喜ばせようとして、アルバイトなどを始めようとします。また、心が辛くないと大人の心からの子供の意識行動も可能になり、アルバイトなどをする際の問題を自分の意識活動で解決(勿論出来たらの話です。出来なかったらアルバイトを止めて、引きこもりを続けます)して、アルバイトを始めるようになる可能性が高くなります。

家の外に嫌悪刺激が無い場合でも、大人年齢の子供が家の中で楽しいことだけをして過ごしていても、現状維持ですから、子供の姿は所謂オタクの姿です。その様な子供のうちでも、自分の生活費だけは自分で稼ごうとして、アルバイトなどの仕事をするなら、親と子供の間に8050問題は一応無くなります。

このように、自分の生活費だけでも自分で稼ごうとする子供の心の動き、心のエネルギーを高めるためには、その子供の心に、子供と母親との信頼関係が必要です。子供と母親との間に信頼関係が無いと、子供は現状維持、引きこもりを続けます。子供と母親との間に信頼関係があると、子供に残っている本能、母親を喜ばせたいという本能と、貯まって来た心のエネルギーから、アルバイトを始める可能性が高いと推測します。

既に8050問題を生じている親子の関係では、母と子供との間に信頼関係が無い状態が長く続いていますから、其れ以後に母と子供との間の信頼関係を作ると言うことは大変に難しいと推測されます。8050問題を生じる前に、未だ子どもの心が大人の心に変わってから日が浅いなら、母と子供との間の信頼関係がしっかりと出来ることで、子供の方で常識的な就労は出来なくても、その子供なりの生活費を得ようとする動きを生じる可能性が高いと推測されます。子供の方で大好きになった母親のために、大人社会の中で生きてみよう、働いてみようという意欲=心のエネルギーを生じる可能性が高いと推測します。

子供がアルバイトを始めてから其れ以後のことは、子供と社会との関係が大きいです。運が良ければもっともっと心のエネルギーを貯めて、一般の人と同じ就労が可能になりますし、運が悪ければアルバイトで疲れて、再度引きこもって心のエネルギーを貯めて、再度社会に向かって挑戦をすることになると思います。そのためにも子供と母親との信頼関係がしっかりと出来ていると、母親は子供を再度引きこもらせて子供の心を守り、子供に心のエネルギーを高める協力が出来ます。その後子供に再度社会に向かって挑戦して貰うことが出来ます。