子どもの心の方程式4

大人の本心は、意識の心。知識=記憶や思考です。大人の本心は持っている知識や思考方法を変えることで、大人の本心自体を変えることが出来ます。

子供の本心は情動の心です。情動は生まれ落ちでから乳幼児期に母親をミラーシステムで真似して取り込むことでできあがっています。既にできあがった情動は基本的に変えることが出来ません。

情動を変える唯一の方法は条件反射です(A4参照)。情動の接近系の条件反射はパブロフにより犬を使って報告されています。人間でも子供にご褒美をあげることで、子供の情動の接近系を変えることが出来ます。但しご褒美は、繰り返し与えることで慣れを生じて、ご褒美の効果がなくなります(A7参照)。幾ら繰り返し与えても慣れを生じなくて、ご褒美の効果が続くのは母親だけです。それ故に母親だけは子供を母親の希望するように育てることが出来ます。

情動の回避系の条件反射(FCR。恐怖の条件反射と表現しておきます)は実験動物を作るのによく使われていますが、人間の心について当てはめた人を私は知りません。現実には無意識に、人を、子供を、ある行動をさせるために、ある行動をさせないために、叱る、体罰を与えるなどで、極めて頻繁に使われています。その際に恐怖の条件刺激(FCS)を、程度の差は色々ですが、学習してしまうことを、殆どの人は意識していません(A8参照)。それ以後FCSに出会うと、その人の心はとても辛くなってしまいます。

子供の性格は習慣の心と情動の心ですが、FCSを学習してしまった子供は、FCSに出会うと人が変わったように変化をします。辛い状態になります。そのFCSは多くの大人や子供では何の反応を起こさない物ですから、子供の性格が変わったと理解するようになります。

必ず成立する方程式

大人は本心を変えられるが、子供は条件反射以外の方法では変えられない

FCRは子どもの心を辛くするとともに、子供の性格を周囲の人が困るように変化をさせる。その逆の、子供の性格が周囲の大人に困るようになったときには、子どもの心にFCRが生じている。

FCSがない限り、FCRは起こさないで、子供は其れまでの子供と変わらない。その逆の、子供の性格が突然変わったと感じられたときには、子どもの心にFCSが存在していて、その結果FCRを生じている

FCSが一つだけの場合に、FCRの反応をトラウマと呼ぶ。このFCSを知ることが出来る場合もある