トラウマについて(6)

大人の心はそれまで身につけた習慣とそれまで身につけた知識に基づく意思です。子どもの時に持っていた心の内で習慣を除いて、意識で調節しています。その点が子どもの心と大きく異なっています。意識で自分の感情を調節する能力が弱い人は、感情的だと表現されるような人になります。意識で自分の感情を調節する能力が高い人は理性的だと表現されるような人になります。

トラウマがある子どもでも、その反応が弱いと、練習により意識的にトラウマの反応を抑えることが出来るようになります。それ故にトラウマがある子どもでも、子ども時代に楽しく過ごして、トラウマの反応が弱くなった状態(それを予め知ることは出来ませんが、長い時間トラウマが反応をしないと、トラウマの反応力が弱まっている可能性があります)大人になったとき、意識的にトラウマを反応させないように出来ます。あたかもトラウマがなくなったような姿の大人になれます。

恐怖の条件反射(その程度の強いのがトラウマ)がある子どもは、その 「恐怖の条件刺激を与えないようにして」 、その結果として恐怖の条件反射が起こらないようにして、そのために 「楽しいことに没頭して」 時間を稼ぎ、恐怖の条件反射の反応力を弱くした状態と、「自分発の意思を出す練習をする」 ことで、それだけで恐怖の条件反射による辛い症状、性格の変化をなくすることが出来ますし、不十分でも成人して心が大人の心になると、自分の意思から辛い症状、性格の問題点や異常を修正することが出来ます。