トラウマについて(7)

条件反射は無条件刺激があると、ある特定の物に条件刺激を学習するだけでなく、その特定の物の周囲にあった物にまで、程度は弱くなりますが、条件刺激を学習してしまいます。勿論ある特定の物条件刺激が一番強いですが、その特定の物の周囲になった物による条件刺激は、条件刺激だと気づけないほどであり、見落としがちになります。このことに大人は気づく必要があります。それは喜びの条件反射でも、恐怖の条件反射でも同様です。そのことを不登校の子供で説明してみます。

子どもが教室内で教師から体罰を受けたとします。体罰は身体的な痛みだったかも知れません。心の痛み(子どもの存在の否定)だったかも知れません。その結果、子どもの心は恐怖状態(恐怖の無条件刺激を受けた結果)になり、子どもは教師に恐怖の条件刺激を学習しました。それだけでなく、教師の傍にあった物(例えば教卓、黒板、傍にあった教科書など)にも程度は弱いけれど、恐怖の条件刺激を学習してしまいます。其れ以後、子どもはその体罰をした教師を見ると恐怖の条件反射を起こして、子どもの心は恐怖状態になります。子どもは教師に会いたくないので、学校に行こうとしなくなります。不登校分類2になります。

又、体罰をした教師を見なくても、その体罰をした教師の傍にあった物でも、程度は遙かに弱いですが、やはり恐怖状態になります。大人の目から見ると、どことなくその子どもの性格がおかしくなります。けれどその子どもの性格がおかしくなったことと体罰をした教師とは関連づけられますが、その体罰をした教師の傍にあった物との関連を気づくことは出来ません。

その体罰をした教師を子どもは避けようとします。けれど、その体罰をした教師に学校内で繰り返し出あうと、そのたびに、その体罰をした教師を恐怖脳条件刺激とした恐怖の条件反射を起こします。その体罰をした教師への恐怖反応は強まります。その際に新たにその体罰をした教師の周囲にある物にも、新たに恐怖の条件反射を学習します。その恐怖の条件反射を起こしている際に、耐えずあり、共通にある物は、その体罰をした教師と、学校です。そこで子どもは学校を恐怖の条件刺激として学習してしまいます。体罰をした教師以外にも、学校を恐怖の条件刺激とする、恐怖の条件反射を起こすようになります。不登校分類3になります。

体罰をした教師や学校を恐怖の条件刺激とした恐怖の条件反射を起こす子ども、つまり不登校の子供は、恐怖の条件反射を起こした際に子どもの周囲にあった色々な物にも、程度の差はありますが多くはとても弱いですが、恐怖の条件反射を起こすようになります。しかしその程度は弱くて、子どもの性格がおかしくなったと感じられる場合もあるぐらいです。

但し、それ以上に問題になることは、これらの学校内にあった物で、学校を連想して、その連想した学校が強い恐怖の条件刺激になってしまい、恐怖の条件反射を起こして、子供の心がとても辛い状態になってしまうことです。この子供が学校を連想する物は、学校に内になくても、子どもの家の中にある、子どもの家の周囲にある物の場合も多いです。つまり、学校を連想する記憶、知識が、学校を恐怖の条件刺激とする恐怖の条件反射を生じて、子どもの心辛くして、家の中でも子どもが荒れたり問題行動をしてしまいます。これを恐怖の条件刺激の汎化と言います。