母親が自分を責める

不登校引きこもりの子供を育てている母親との会話です。

>子供を不登校にしたので、子どもに対する罪悪感を強く抱いています。
私から、その様に感じると、お子さんをますます追い込んでしまいます。罪悪感を感じてしまうのは仕方が無いかも知れませんが、子供の前では作り笑顔で良いですから、笑顔をお願いします。

>この母親からのMSG、私が罪悪感を感じたら、私の母性が働きだす可能性が強くなると私は思っていました。
罪悪感という表現が正しければ、母親は母親の知識から自分を責めています。母親の表情が曇り、母親の対応が母親の知識から母親自身を責める対応になります。その時母親から子供への共感の言葉もスキンシップもありません。それどころか母親自身を守るために、子供を拒否する行動が程度の差はありますが、出てきているはずです。子供はそれを鋭く感じ取ります。その時の感じ方は潜在意識なので、子供は言葉にすることが出来ません。この母親の姿は、子供が大好きな母親を自分(子供)が苦しめたときの、子供の感じ方になります。

母親の母性が機能をしたときには、母親は子供の心の辛さを無条件で感じ取ります。そして反射的に子供に共感して、スキンシップをして、子供を辛さから守ろうとします。この際に母親の知識も機能をする要素もありますが、母親は本能的に、無条件に、子供に共感し、スキンシップをします。それを子供は子供の本能から感じ取ります。

>母親は自分を責めることになるかもしれませんが、子供を守りたいと言うスイッチが入る場合があるのでは?と思います。
自己否定は強力な嫌悪刺激で、子供を守るためではなくて、母親自身を守るための行動がだけが出てきます。自己否定の際に、強力な回避系が機能をしているので、接近系は働きません。それ故に情動の接近系の母性にスイッチが入ることはありません。

>母親が自分自身を責めることは大変辛くなると思いますから、その母親の辛い姿を子供が見る時、子供が自分のせいで母親が苦しんでいると思って子供を辛くさせるという意味でしょうか?
大人の言葉で言うとそういう意味です。但し子供はその様に考えているのではありません。大人の言葉で言うその様なときに感じる感じ方を子供は感じている(潜在意識ですから言葉になりません)という意味です。

脳科学的な発想を皆さんに求めるのは無理なことはよく分かっています。でも理由は分からなくても、母親が自然態で心が辛い子供の心に共感してくれるなら、自然とこのような機能が働くのです。ある意味でこの事実を常識と異なる、ハウツーとして知って頂くので十分なのです。母親である限り、自分の子供に関して、本能的に子供を守り育てるという特別な機能を持っています。子供の方でもそれを求めています。

心が辛い子供にとって、心が辛くても、辛くなくても、母親の共感とスキンシップは、母親の子供にとってオールマイティーの機能があります。多くの母親は自分にこの機能があることを気づいていませんし、気づいた母親でも忘れています。