トラウマと心のエネルギーについての纏め

<質問>
トラウマと心のエネルギーは反比例しているという言い方はできますか?また、トラウマが、完全に消滅したらもしくはほぼ反応しなくなったら、その反比例関係は消滅するという言い方もできますか?

<回答>
トラウマとは怪我という意味です。(心が)傷ついたと表現する人も居ます。心の怪我は目に見えません。ですから、心を体に例えて、体に受けた怪我と現時点で一応思ってください。本当は違っているのですが、イメージ的にです。

心のエネルギーとは心が動いていく能力(その人の意欲と言い換えられます)を言います。それを具体的に知ることが出来ませんが、イメージとして、電池(心に例えて)の電圧(心のエネルギー)と考えると分かって頂ける方があると思います。電池ですと、電流が流れて(人では具体的な体の動きになって)、何か仕事をします。その仕事をした結果が物理的なエネルギーですが、心の場合には具体的にその人の周囲にしたことになります。

プラスの心のエネルギーの大きさをその人の意欲、何か建設的なことをしようとする意欲の大きさと例えると、理解しやすいですし、心のエネルギーの大きさの比較をしやすいです。又現実的に、その人が何か建設的なことをしようとすることの推測が可能になります。マイナスの心のエネルギーの大きさは、何か破壊であること、不適応的であること、逃げだそうとしたり逃げ出したりしていることと理解すると、現実の心に良く当てはまります。つまりプラスの心のエネルギーはその人の意欲の大きさ、強さになりますし、マイナスの心のエネルギーは無気力だったり、怒りの大きさだったり、問題行動(心の病の症状を含む)の強さだったりします。その人の辛さの程度の大きさと表現できます。

多くの方は、トラウマが機能をすると辛くなる、とてもつらくなることを理解していらっしゃいますが、マイナスの心のエネルギー(の概念を持っていらっしゃらないので)を生じるとは考えません。この質問の方は、トラウマという言葉を使われるときに、その時に生じるマイナスの心のエネルギーを意識していらっしゃいませんが、感覚的に感じていらっしゃると思います。それ故に、トラウマという言葉と、(プラスの)心のエネルギーとの関係を反比例するかとの質問をしていただいています。そのことを念頭に置いてお答えするなら、トラウマ(が生じるマイナスの心のエネルギー)は心のエネルギーのマイナスの方向にあります。

ここで質問の方が心のエネルギーと書かれているのは、プラスの心のエネルギーを意味して表現していらっしゃるようです。もしそうだとしたら、トラウマ(が生じるマイナスの心のエネルギー)は(プラスの)心のエネルギーと、心のエネルギーとして、相反する方向、逆方向、という表現が当てはまり、反比例という言葉は当てはまらないのですが、質問の方が反比例という言葉を、方向が逆という意味で言われているのなら、その通りです。

トラウマが消滅するということは、その結果そのトラウマが生じるマイナスの心のエネルギーがなくなるということですから、(プラスの)心のエネルギーとの関係を考える必要がなくなります。質問の方は、それを比例関係が消滅する、なくなると、表現なさったのかもしれません。