とらうまとは(8)

「トラウマについてと言うMSGの中で恐怖の条件刺激は子どもにとって何も影響が無いか、必要な物か、楽しい物が多いと書かれています。これをもっと具体的に説明してください」という質問を受けました。

何が恐怖の条件刺激になるのか、これは子どもによって皆異なります。その恐怖の条件刺激の程度も物によって、子どもによって皆異なっていると考えられます。だから具体的に説明する難しさがあります。不登校の子どもでは間違いなく学校が恐怖の条件刺激になって居ます。其れ以外にも恐怖の条件刺激を学習しているのですが、学校の要素が極めて大きいので、学校以外の恐怖の条件刺激を考える必要性が少ないからです。必要性が無いことが多いのです。

学校以外に不登校の子供が恐怖の条件刺激として学習する物は、子ども自身の性格の要素、学校でどのような恐怖体験をしたかの要素があり、特定するのが大変に難しいです。つまり、学校が恐怖の条件刺激として不登校の子供が学習した際に、、その学習した恐怖の条件刺激の傍にあった物、例えば教師からの体罰で恐怖の条件刺激を学習した場合、教師自身、教師の服装、学習机、教卓、黒板、教師の傍にあった張り紙や、その内容、近くに居た他の生徒、教室自体、等が思いつきますが、それらが全て恐怖の条件刺激になるのではない様です。又恐怖の条件刺激になったとしてもその恐怖の条件刺激の強さは不登校になった子どもで皆異なります。そして心が不登校になった状態で子供が学校に行き続ける限り、これらの物も子どもの心を辛くして、学校に反応をするトラウマと相乗効果を示して、子どもはますます学校に行きづらくなります。学校に反応をして子供を辛くするトラウマ=恐怖の条件刺激による反応をますます強くしていきます。

恐怖の条件刺激を学習した後では、学校を連想する物、例えば鞄、通学服、通学ようの靴、勉強机、教科書、ノート、鉛筆、その他の学用品、弁当、時間割、カレンダーなども恐怖の条件刺激になって居る場合が多くあります。子どもにとって学校関連の遊び道具も恐怖の条件刺激になって居る場合があります。子どもを自動車で学校に送っている場合には、自動車自体にも恐怖の条件刺激を学習しています。これらのことは、不登校で無い子どもには、何も影響ない物か、必要な物、楽しさを思わせる物です。家庭内でこれらの物を心が既に不登校の子供(学校を恐怖の条件刺激として学習している子ども)に母親が与える(殆どの母親は学校が恐怖の条件刺激になって居ると知りませんし、上記の様な学校を連想をする物が子どもを苦しめるとも考えませんから、子どものためと、子どもの将来のためと母親は考えて、母親が子どもに与え続けます)と、子どもは瞬時に心を辛くして、学校に行こうとしなくなり、荒れたり問題行動をしたり、心の病のような症状を出してしまいます。

これらの恐怖の条件刺激の強さは、不登校の子どもによって皆異なります。恐怖の条件刺激が一番強い物は学校ですから、学校に行かさない、学校を意識しない対応が最優先します。それと同時に、これらの恐怖の条件刺激が弱い物も、不登校の子供の周囲から取り除く必要があります。恐怖の条件刺激の強さが弱い物は、親も気づかないで、不登校の子どもに与え続けていることが多いです。それ故に、不登校の子供の心の問題を解決するために、少しでも学校関連の物があったら、直ぐに処分をする必要があります。

一番の問題点は、母親が不登校の意味を理解しないで、不登校の子供を学校に行かそうとする対応です。この対応で不登校の子供は、無視できる恐怖の条件刺激にも敏感に反応をしている場合が多いです。その子どもの姿を、子どもの荒れと理解されています。子どもの荒れはなくさなければならないとして、子どものあれ自体に対する対応がなされ、それがますます不登校の子供を辛くして、荒れを強めてしまいます。子どもは被害者なのに、親や大人から責め続けられてしまいます。