トラウマとは(最終回)

辛い心の症状を出している人の説明を脳科学的に説明します。人が心が辛いと感じるとき、辛いと反応するときとは、殆どの場合、程度の差はありますが、その人の生命に危険を感じているときです。その辛いと反応する場合として、見落としがちですが、否定があります。否定自体は日常生活の中に頻繁に存在していますが、多くの否定は何らかの方法でその辛さが打ち消されて、問題ない場合が多いです。

トラウマにより生じる心の辛さから逃げられないで、その人の性格から、その辛さを自分の中に向けて表現している時、辛い心の症状を出している場合があります。また、辛い心の症状を出すことを自分で解決出来なくて、心がより辛くなり、その様な自分を否定する、自己否定をして居る場合があります。辛い心の症状、心の病の症状を出しています。病院に行くと精神疾患と診断される状態です。心の病の症状ですから、自己否定から生じた心から生じた辛い状態だとは考えません。

あくまでも私の経験からの判断です。年少の子どもが心の病の症状を出すときは、回避できないトラウマ=恐怖の条件反射で生じる心の辛さとして心の病の症状を出しています。この場合には、トラウマが反応をしないように、トラウマを反応する物を子どもから取り除くことで心の病の症状をなくすることが出来ます。思春期に近くなった子どもでは、自己否定から心の病の症状を出している場合があります。大人になると多くの例で自己否定から心の病の症状を出しています。

多くの人は自己否定という言葉を知っていても、自己否定から心の病の症状を出すことを知りません。常識的に心の病の症状を出している人は心の病を持っていると考えて、病院に連れて行きます。当人も病院に行きたがる場合があります。病院に行けばその症状から精神疾患の病名がついて、それ相応の薬が出ることが多いです。しかし心の病の症状は自己否定から生じていますから、クスリを飲んで症状が軽減することはあっても、解決になりません。その結果自己否定をより強めてしまいます。

自己否定を起こさないのが一番良いのですが、自己否定をして居る人の心の問題を解決するには、その人に自己肯定感を与えて、自己否定をしないようにする必要があります。しかしその具体的な方法は大変に難しいです。出来るとしたらその人の母親または母親に相当する人だけです(その人が本能的に求めているからです)。母親にあるがままの自分を認められて、母親を感じられたら(共感とスキンシップ)、自己否定をしないで済むからです。