心のエネルギーの分配 9

今一度
心のエネルギーとは情動の接近系で、接近系を実現しようとするトータルの方向性です。トータルの意欲です。それに対して物や事象が持つ接近系とは、その刺激情報が大脳辺縁系に到達したときに生じる接近系の大きさです。どれだけ意欲を引き出せるかという能力です。心のエネルギーより物や事象の接近系が大きいと、そのものや事象の接近系の大きさに従って意欲を生じます。心のエネルギーより物や事象の接近系が小さいときは、子どもによって異なりますが、その接近系の大きさから持っている心のエネルギーの全てまでの間の心のエネルギーを注ぎます。

親が希望することと一緒にご褒美を与えると、それらの全体として接近系を生じます(相乗効果)。一方子どもが既に没頭している享楽的な遊びの接近系があります。その遊びの接近系より刺激全体の接近系が大きいと、子どもは心のエネルギーを親が希望をすることに持っている心のエネルギーを注ぐようになります。然し親が希望することと一緒に与えた接近系が無くなると、子どもは親が希望をすることをしなくなります。元の享楽的な遊びに戻ります。

そこで親は親が希望をすることと一緒に無くなることがない大きな接近系を子どもに与えて続けることで、親が希望することを子どもに繰り返しして貰い、子どもの習慣化させることが出来ます。子どもの方から進んで親が希望をすることをするようになります。但しその際に、親が希望することと一緒に与えた接近系が途切れた場合、同じ接近系を与え続けて慣れを生じて、その接近系の効力が弱まった場合、習慣化していた親が希望をしていたことを子どもは段々しなくなります。習慣化が無くなっていきます。

つまり、親が希望をすることを子どもにさせ続けるには、習慣化した後でもある程度の間隔でご褒美を与え続ける必要があります。所謂ブースターです。親が希望することを連想するご褒美です。連想しさえすればそれほど大きな接近系でなくても良いようです。但し接近系が弱いとご褒美を与える間隔は短くする必要があります。