不登校の子供の万引き

ある男の子の言葉についてです。
万引きが見つかり両親と一緒に警察に呼ばれました。その後も、男の子は何回か万引きをしています。両親はこの男の子に愛想を付いていたようです。しかし、男の子が私に言ってくれた言葉がとても印象的でした。

常識的には、万引きをした子供を見つけると、その親も呼んで、今後万引きをしないように注意して貰うと言うことになると思います。そこで親も子供に今後万引きをしないように注意をして、それで終わりになる事が多いです。そして子供は叉万引きを繰り返すことになります。子供の万引きを親や社会が注意をすれば、万引きが無くなると考えられているようです。

万引きの中には、子供が欲しい物を親に買って貰えない、買って欲しいと言えないので、ついつい万引きしてしまう場合もあります。それはまるで野山に咲く花を摘んでくるような感じの心の動きです。でも野山に咲く花と違って、店にある物は所有者があることも、子供は知っていますから、目を盗んで万引きをする事になります。只目を盗むだけですから、その手口は極めて単純です。

男の子の言葉
>「万引きをした後、親はいろいろ買い与えてくれた(男の子の欲しかった物を親に言えなかったからと、親は理解したようでした)けど、僕が欲しかったのは。。。愛だったんだよな。。」
愛という言葉で何か分かるような気がしますが、きっと多くの人は親が子供を放置しないで、あれやこれやと手をかけて、子供が満足して成長が出来るような親の対応、常識的な親から子供への愛情と理解すると思います。

この男の子が言う愛とは、学校で心が辛かった男の子の心の辛さを感じ取って、それを癒やしてくれる親の対応という意味だと思います。これをこの男の子は正確に言葉に出来ないので、男の子が知っている言葉、愛情という言葉を使ったと考えられます。

親や大人は子供が万引きした物にだけ注目して、なぜ子供が万引きをしなくてはならなくなったのか、気づいていません。つまり心が辛い子どもが、その辛さからの回避行動としての問題行動だったという意味です。それほど万引きした物に意味があるのではないのです。