ある母親

繰り返し「勉強をしないで、今一番楽しいことだけをしていて欲しい」と母親が言うこと、それと一緒に息子をハグすることで、初めのうちは母親に反抗的ではぐも嫌がっていたのですが、一ヶ月以上たつ内に息子はこの母親の対応に反抗をしなくなりました。息子は学校のことを全く言わなくなりました。ある日息子をハグしたとき、息子が「お母さんあのカウンセラーをどうやって見つけたん?」と言いました。「運が良かったんよ。けど真剣に探したよ。」と話すと嬉しそうでした。私がやっと心が通じ合ったように感じると話すと、息子も同じように感じたと話してくれました。

この出来事をきっかけに息子との心の距離がやっと縮まったように感じます。何よりハグした時に今までとは違って、息子のほうでもギュッとしてくれたので本当に嬉しかったです。お互いにやっと本心から話しができるようになった気がします。今までは、何となくぎこちないやり取りをして腹の探り合いをしていたように思います。

ちょっとした私のミスも大丈夫、大丈夫。次から気を付けたらいいからと今までとは違う対応をしてくれます。いつもビクビクしていた私も自然体でいられ、息子にもそれを感じます。「ゲームしたり、料理したり、ネットで調べものをしたりしながら過ごしていくね。」と言ってくれたので伝わったのかな⁈と思っています。特に料理はレシピを検索して毎日新しいものを作っています。片付けは時々私がしますが、料理は楽しいと言っています。自分で作った料理は特に美味しいと言って食べています。家族の中で一番バランスのとれたいい食事をしています。

まだまだ先の事は予想もつきません。正直、こんな風に感じていても本当のところは分かりません。フリースクールの件も無視したり、もっと強く行かなくいいと否定した方が良かったんだと思いますが、それができませんでした。とにかく見ない、言わない、笑顔、傾聴、言われたことだけ叶えることをブレずにやっていこうと思っています。

<解説>

今まであれだけ息子の方から、学校だ、勉強だ、フリースクールだと行っていましたが、それがなくなったことは常識的には、子供が将来も勉強を諦めて、一生引きこもりを続ける、両親に養われて生きていくと考えられます。所謂50,80問題になると考えられます。ところが子供は心が元気になったら全く違った姿になります。自分の意思で社会に出て行き、自分の生活様式を確立して、親に生活を頼ろうとしません。それどころが親にとても優しくなります。このような子供の多くは、心が楽になってある時間経過をすると、子供の方で学校や勉強を求めて、資格を得てから社会に出て行く子供が多いです。この場合同年代の子供より遅れて学校や社会に出て行く場合もあります。それでも同年代の子供以上に努力をする子供が多いです。
不登校になった子供から学校や勉強を取り上げることで子供の心が元気になると、子供はその本能から、成長力から、自分の問題を自分で意欲的に解決しようとします。それは大人に無い子ども特有の能力です。この子ども特有の能力は子供によって異なりますが、最終的には親が納得し、喜ぶ方法に、子供は自分の将来を見つけて、その方向に邁進していきます。
確かに大人の思う姿にすることで能力を発揮できる子供が多いのかも知れません。しかし不登校になった子供は、その子供特有の能力を信頼してあげることで、その子供なりの能力を発揮できるようになります。最終的には学校を利用して成長をした子供と同じかそれ以上になります。それほど子どもの意思とは大切なことなのです。